遺言の文例集

遺言の作成の文例をご紹介します。

遺言書には、決まった形はなく、様々な文例があります。
お客様の事例に合わせて、文言を考えていく必要はあります。
当事務所でも、ご相談の段階で、お客様の希望、法律上の制限、実際の相続手続きの際の手間費用、遺留分など総合的な観点から遺言の文言について、提案&アドバイスさせていただきます。 

相続分の指定

「遺言者は、次のとおり各相続人に相続分を指定する。
1 妻   山田花子は3分の1
2 長男  山田太郎は3分の1
3 次男  山田次郎は3分の1        」

複数の相続人がいる場合、相続財産全体に対する各相続人の相続分を指定することができます。ただ、具体的に指定したほうが相続人としては相続手続きの際の負担が少なくなります。 

予備的遺言

「遺言者は、すべての財産を、妻山田花子に相続させる。
ただし、妻山田花子が遺言者と同時、もしくは遺言者の死亡以前に死亡している場合は、長男の山田太郎に相続させる         」

権利を相続するはずだった人が、遺言者と同時にもしくは先に亡くなっている場合、その部分について遺言の効力が及ばなくなってしまい、法定相続分により相続人が相続することとなってしまいます。
このような場合に備えて、上記のように予備的に次順位の相続人を指定しておけば、もともと権利を承継するはずだった人にもしものことがあっても、次順位で指定された人に財産を引き継ぐことができます。

推定相続人が、同年代の配偶者と子供である場合、よく使用される文言です。
 

内縁の妻に財産を残す場合

「遺言者は、下記不動産を内縁の妻である山田花子に遺贈する。
不動産の表示(略)          」

戸籍上の届出をしていない内縁の妻は通常相続権がありません。
そのため、内縁の妻に財産を残したいと考えた場合、上記のように内縁の妻あての遺言を残しておく必要があります。 

負担付き遺贈

「1.遺言者は長男山田太郎に次の財産を遺贈する。
(略)
2.長男山田太郎は、上記遺贈に対する負担として、遺言者の妻山田花子の生存中、同人に対して1カ月あたり金〇万円を生活費として支出し、生活の面倒をみること。       」

負担付き遺贈とは、遺贈することに対して、何等かの義務を負担させるものです。 

遺言執行者の指定

「遺言者は、この遺言の遺言執行者として次のものを指定する。
岡山市北区野田3丁目13番37ー206号
司法書士 柚木徹也            」

遺言執行者とは、遺言の内容を実際に相続が発生した際に実現する人のことをいいます。遺言執行者を指定しておくことで、相続手続きがより簡易になります。
当事務所で遺言執行者になることも可能です。
その際の遺言執行者の費用は、遺言で決めておくこともできますし、遺言執行後に裁判所に決めてもらうこともできます。 

付言事項

「長男山田太郎には、今後妻山田花子とともに生活し、面倒を見てもらいたい。次男山田次郎よりも相続分は多いが、遺留分を侵害しない範囲なので、ほかの相続人は私の気持ちを理解して、これに異議を申し述べないことを希望したい。      」

付言事項で、遺言をした背景や財産の承継以外の遺言者の想い、相続人への希望などを記載することができます。
相続人の気持ちに配慮することでより遺言の実現性が高くなります。(法的な効力はありません)